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ARMA北米調査団報告(速報)〜電子化への着実な取組が進行

2011年12月28日

 ARMA International東京支部は、ARMA International本部の第56回年次大会参加とカナダの国立図書館・文書館(LAC)と米国国立公文書館(NARA)の訪問及びRIMの有力ベンダーであるカナダのOpenText社、記録情報管理の優良企業であるP&G社を調査・視察するため調査団を編成し、訪問した。今回の報告は、その第一報(速報)である。詳細な報告は、別途報告書を発行するとともに報告会を開催する予定。
 今回の調査団派遣にあたっては、LAC及びOpenText社に関しては在日カナダ大使館、NARA訪問にあたってはARMA International元会長のM.ミラー博士、P&G訪問については同じく元会長のD.スティーブンス氏のご尽力が大であった。

1.参加メンバー(順不同、敬称略)  
 ・松岡資明(日本経済新聞)  
 ・木村道弘(JIPDEC、ARMA)  
 ・佐藤伸一(PFU)  
 ・小谷允志(ARMA)  
 ・伊藤 大(KRM)  
 ・中山浩志(KRM)  
 ・西川康男(ARMA)

2.日程
  全日程:2011年10月15日(土)〜 23日(日)
 ・10/16、17(Ottawa):LAC、OpenText
 ・10/18〜20(Washington):NARA、Annuai Conference and Expo
 ・10/21(Cincinnati):P&G

3.主な訪問先
(1) 10/17:カナダ国立図書館・文書館訪問
  (Library and Archives CANADA(LAC))
  @ LAC本館 Main Building(Ottawa)
 
カナダ政府における情報マネジメント情報マネジメント戦略、システムについて情報交換
カナダ政府は2017年までに各省庁からのLACへの移管はすべて電子による受け付けとする方針を決定
館内ツアー
  A LAC Preservation Center(Gatineau, Quebec)訪問
 
オタワに隣接したガティーノ市にある巨大で斬新な建築物
LACにおける記録の安全・確実な保存拠点としての役割を果たしている
(2) 10/17:OpenText Ottawa office訪問
 
OpenText社のIM戦略及びカナダ政府との関係について情報交換
カナダ政府のIM計画に大きくかかわる
(3) 10/18:NARA館長と面談
 
D.フェリエロ館長との面談実現、館長は大統領の直接任命
オバマ政権のOpen Government戦略に基づくNARAの方針及び戦略展開について取材
電子記録アーカイブズ(ERA)プロジェクトについては、システム構築主体のロッキード・マーチン社から軸足を運用・保守に移し、IBMとOracleが中心になってこれから仕組みの構築を行うとのこと
(4) 10/18〜19 :ARMA年次大会参加
  (Gaylord National Hotel&Conference Center)
 
[EXPO]:Iron Mountainなど106社出典
[カンファレンス]:5トラック40セッション開催
約2000名参加
(5) 10/19:ARMA International Staff Meeting
 
現会長のGalina Datskovsky、次期選定会長のKomal Gulich、事務局のLarilyn Bier氏とARMA本部及び東京支部の現況と戦略について情報交換
Galina Datskovsky会長の来日について意見交換、その後2012年5月に来日が決定 した
(6) Archives 2施設見学とディスカッション
  (National archives at Collage Park,MD)
(7) 10/21:ザ・プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー(P&G)視察
  (Cincinnati, OH)
 
P&Gは記録情報管理の実践優良企業としてコバルト賞を昨年受賞
グローバル企業として情報ガバナンスに優れたマネジメント・システムをグループ全体で構築
記録管理方針と記録管理規則を全社員に徹底する社員教育を実践中
現在、電子記録管理の「e-プロジェクト」を構築中

4. 所感
 今回の北米調査団結成は年次大会の久しぶりのワシントンでの開催と2011年春のキャロンLAC館長の来日講演及びミーティングからカナダ訪問を決めたことから始まる。
 両国とも電子記録分野での先進的テーマに取り組んでおり、間もなく実を結ぼうとしている。
 また、P&Gの全社的なRIMに対する取り組みは企業の情報ガバナンスにとって大変参考になった。
 参加メンバーに恵まれ、良い成果が出せた。2012年2月に予定している調査報告書の発行及び報告会を期待していただきたい。詳細は別途ホームページ等でご案内いたします。